元女騎士の日記

前世は女騎士だった三十路女(自称26歳)のファッッッッションと生活。

あいさつ

はじめまして、(元)女騎士だ。
もともとはとある帝国の女騎士(という名の士官)をしていた。
大砲でオークの群れを殲滅するための時間管理の仕事をしていたが、ワイバーン軍の奇襲を受けてからの記憶がない。

気がついたときには三十路直前の日本人女になっていた。
あまりのわけのわからなさに発狂しそうになったが、深呼吸をしながら素数を数えてみるうちに、この日本人女として生まれ育った記憶もあることに気づいた。
なおかつ、今の私は漫画やラノベなどのサブカルの知識も持っていた。

元女騎士であり現女オタクである私はしばしの思案ののち、ひとつの応えを導き出した。
私は異世界転生というものをしたのだろう。
本棚の角で頭を打ったのがきっかけで、前世である女騎士の記憶を取り戻したのだ。
こうして私は、便利で快適な現代日本で心身ともにゆるみきった生活をおくることを決心した。

しばらくは前世と現世との人格のすり合わせに奮闘していたが、次第に、この女の野暮ったさが気に食わなくなってきた。
化粧や服装に気を使ってないわけではないのに、なんだか垢抜けないのだ。
鏡に映るちょいダサ女を横目で眺めているうちに、胸の奥底からとある願望がふつふつと湧き上がってきた。
せっかくまた女に生まれたのだから、今世では女らしく生きたい。
そうして女に生まれた幸せを噛み締めながら、オークもワイバーンもいないこの世界で天寿をまっとうしたい……!

しかし、私にはファッソンというものがわからなかった。
だから、悪あがきはせずにカネにものを言わせてイメージコンサルタントというものを受けてみた。
アドバイスを元に化粧品と服を一新してみた。

そしたら、冴えないもっさりとした日本人女が、そのへんにいそうなちょっと小ぎれいなねーちゃんに変わった。
おかげで、鏡を見るのが苦痛ではなくなった。
ファッッッションというものについて思いを巡らせ、いろいろ試してみるのが楽しくなった。

そんなわけで、ブログなるものをはじめてみることにした。
尊大なる自己顕示欲を抑えきれなくなってしまったのだ。
だが、臆病な自己承認欲求により、コメントを受け付けない設定にしてしまった。
私にコメントを送る際は、念を使っていただきたい。